はじめまして、とブログ始めます。

はじめまして。
あるいは、これはインターネットという広大な海に投げ入れる、ただの瓶詰めの手紙のようなものかもしれません。もしこの拙い一文を読んでくださっている方がいるのなら、それは何かのご縁なのでしょう。

本日、こうしてキーボードを叩いているのは他でもありません。何を思ったか、ブログなるものを始めてみようと思い至った次第です。まるで15年ほど前にタイムスリップしたかのような響きですが、大真面目です。

四十にして惑わず、とはよく言ったものです。
孔子の時代とは違い、情報と選択肢が溢れかえる現代。今年で四十路の大台に乗った私も、実のところ惑いっぱなしの日々を送っています。惑うどころか、日々の忙殺のなかで、昨日食べた夕飯のメニューすらおぼつかない有様。そんな折、ふと、このままではいけない、と感じ始めました。

ゲームで目にした息を呑むような美しい風景、読み終えた漫画のやるせない結末について考えたこと、AIに無茶な質問を投げかけて得られた珍妙な回答、近所の中華料理屋で食べた炒飯の絶妙なパラパラ加減。
そうした日々のなかで生まれては消えていく小さな感動や発見、思考の断片たちが、あまりにもったいない、と。それらをどうにか掬い上げ、記録として残しておけないものか。人生の航路も、いよいよ折り返し地点。このあたりで一度、自分の思考の「航海日誌」をつけてみるのも悪くないのではないか。

そんなことをぼんやり考えていた矢先のことでした。
ある晩、リビングで妻が真新しいノートとペンに向かい、何やら真剣な面持ちで文字を綴っているのです。尋ねてみると、「日記をつけ始めた」とのこと。
正直に白状すると、私は「まあ三日もすれば本棚の肥やしになるだろう」と高をくくっていました。しかし、私の浅はかな予想は心地よく裏切られます。翌日も、そのまた次の日も、妻は日課のようにペンを走らせているのです。

その黙々と、しかしどこか楽しげに一日を記録する姿を見ているうちに、私の心に小さな変化が訪れました。ああ、「書き留める」という行為は、かくも人間的な営みなのか、と。誰に見せるでもない、自分だけの記録。その積み重ねが、未来の自分にとって何かしらの道標になるのかもしれない。妻に感化される形で、私の「航海日誌をつけたい」という漠然とした思いは、一つの明確な形を取り始めたのです。

…さて、初回なので、ここで少しだけ自己紹介を。

私は、岩手県の沿岸南部、大船渡市という町で暮らす40代の男です。
趣味は、と聞かれると少し返答に窮するくらいには多趣味で、飽き性です。
部屋にこもってビデオゲームの広大な世界を冒険することもあれば、発売日を心待ちにしていた漫画やアニメに一喜一憂もします。かと思えば、最新のAI技術の動向を追いかけ、実際に試してみるのも好きです。仕事が終わればキッチンに立って料理をしたり、美味しいと噂の店を探して車を走らせたりもします。

このブログは、そんな私の雑多な興味のアンテナに引っかかったものたちを、脈絡もなく、気ままに語る場所になる予定です。それはある日にはゲームの壮大なシナリオ考察かもしれませんし、またある日には近所の定食屋で食べたカツ丼への讃歌かもしれません。あるいは、この三陸の潮風が運んでくる日々のよしなしごとについて、つらつらと書き連ねることになるでしょう。

つまりは、岩手県大船渡市という港町に根を張る、ひとりのオタクの思考の記録です。

この瓶詰めの手紙が、いつ、どこで、誰の目に触れるのかは分かりません。
もしまた、この海のどこかで貴方と出会うことができたなら、その時は、ほんの少し私の与太話にお付き合いいただけると、望外の喜びです。

それでは、これからどうぞ、よろしくお願いいたします。

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